飯能駅西口改札新設に関する
提案書
【概要】
本提案は、西武鉄道 飯能駅における「西口改札」新設に関する内容です。現在、駅の西側住民はホームを視認できる距離に居住しながら、北口または南口まで遠回りを強いられており、生活利便性や都市機能の観点で非効率な構造となっています。
飯能ダブルターミナル化によって、飯能駅のスイッチバック機能が廃止され、同駅が担ってきた列車転向機能の役割が軽減される見通しです。その結果、これまで駅の運用上使われていたが現在ほとんど活用されていない駅用地を、市民のために再活用する余地が生まれています。
本提案では、以下の2段階構想を提案します:
  • 第1期:北西口・南西口の暫定設置(簡易改札+スロープ・階段)、利便性向上と人流確保
  • 第2期:西口周辺の再開発(商業施設・高層住宅等を含む都市整備)
この段階的な整備により、地域全体の利便性・経済価値を飛躍的に高め、駅の機能再構築と街の未来像を調和させることが可能となります。
ホームは見えているのに北口の改札口は遙か彼方
電車に乗り遅れそうな利用者にとっては、あんなにホームが近く見えるのに・・・と恨めしそうに眺めた経験はありませんか?
※北口に向かう道路より撮影
【提案内容】
自動改札ブース
西口に無人の自動改札ブースを新設(IC専用)
アクセス経路
ホーム西端に階段およびバリアフリースロープを接続
横断設備
線路を横断する簡易構内踏切または歩行者専用通路を整備
安全設備
改札エリアに監視カメラ・照明・案内表示を設置
【現地状況の利点(航空写真に基づく分析)】
安全性の高い立地
ホーム西端は行き止まり構造で列車の進入がなく、安全性が高い
既存インフラの活用
北側には既存の舗装道路、南側には広い駐車場があり、土地の確保が不要
最小限の用地取得
立退き・用地買収が不要で、最小限の工事で実現可能
工期の短縮
改札・階段・踏切いずれも小規模な構造で済むため工期短縮が可能
【想定整備費用(概算)】
【期待される経済効果(年間)】
1
西口周辺の地価上昇・建物更新
約1.2億円
2
駅周辺への人流増加・店舗利用
約2.0億円
3
世帯転入と個人消費の増加
約3.0億円
4
駅利用者の増加
約0.5億円
5
ムーミンバレーパーク等への効果
約0.5億円
年間効果合計 約7.2億円
【結論】
低コスト
極めて低コスト(1億円前後)
安全・利便
安全性・利便性に優れる
経済活性化
地域の人口動態と経済を活性化
飯能駅の西口改札整備は、上記3つの観点から、非常に合理的かつ投資回収性の高い都市施策です。
一部に「西口設置によって北口・南口の人流が減少し、既存施設の集客に悪影響が出る」との懸念も考えられます。しかし、実際には駅全体の利便性が向上することで、これまで駅を利用しづらかった住民層の利用が新たに加わり、駅全体の利用者数が増加する効果が見込まれます
さらに、複数の出入口をもつ駅は"都市のハブ"としての価値が高く、買い物・通勤・観光などの幅広い行動に柔軟に対応できるため、ターミナルビルを含む駅周辺の商業施設にもプラスの波及効果が期待できます。
実際に、他地域における新改札・再開発事例でも、人流分散による収益減よりも、利便性向上による集客増の方が大きく上回る傾向が確認されています。また、今回の西口整備は、高齢化社会への抜本的な対応策としても大きな意味を持ちます。現在の飯能駅は、改札からターミナルビルを経由してエレベーターや階段を上り下りしなければならず、高齢者や体力の低下した方にとっては大きな負担です。西口改札の新設によって、段差を極力排除した、直接ホームにアクセスできる動線が確保され、高齢者にやさしい"真のバリアフリー駅"への第一歩となります。
住民にとって真に住みやすい街づくりを進めるには、インフラを担う各事業者と自治体が互いの役割を越えて連携することが不可欠です。しかし現状では、大規模再開発など一部のケースを除き、連携は限定的であり、生活現場に潜む"改善の宝"が多く見過ごされています。飯能駅西口は、まさにそのような"ほんの少しの工夫で街の質が劇的に向上する典型例"です。この提案を一つのモデルケースとし、他地域にも展開可能な"スモール・インフラ革命"の端緒となることを願っております。
西武鉄道・飯能市・地元企業・住民の連携によって実現可能なプロジェクトとして、早期検討・整備を強く提案いたします。
添付写真まとめ
※添付:現地航空写真、構造イメージ図